いい建ものをつくるために

「いい建もの」をつくるために知ってもらいたいこと

家を建てるのはほとんどの人が始めての経験な上に、人生で1度の大きな買い物です。後悔しない、満足のいくものが建てられるように、建築業界について少しお話します。

 

欠陥住宅はなぜ出来てしまうのか?

一時期話題になっていた欠陥住宅。欠陥住宅は、なぜ出来てしまうのでしょうか?

それは、手抜きの図面と図面通りにちゃんと工事が行われているかチェックをする監理が、ずさんであることに加えて、利益追求型の施工業者が工事を請け負った場合に起こります。

裏を返せば、きちんとした図面と徹底した監理、 信頼のできる施工業者に工事してもらえば、欠陥住宅は出来ませんし、希望に叶った建物ができるといえるでしょう。

あくまで目安ですが、アーキテクツパークが一つの物件に対して作成する図面の平均枚数は、A2サイズで約30枚〜50枚ですが、A3サイズで3枚〜5枚で済ませてしまう同業者もいます。しかし、大抵の人が設計に詳しくないので、手抜きに気づかないのが現状です。

 
花の根の画像

 

建築家に頼むと高くつく?

建築家や設計事務所に頼むと高くつくと思っていませんか。

しかし、それはデザインとしての値段ではありません。建築設計の値段は、「何を、どこまで、やってもらうか?」で決まります。

デザインやプランだけなら、安く済みますが、詳細な図面やきちんとした監理まで、行う場合には、設計料の値段は上がります。コストは抑えたいところですが、建ものを造るためには、誰かが詳細な図面を描いて、誰かが監理をしなくてはなりません。

たとえ建築家や設計事務所に頼まなくても、結局は、施工業者が図面を描いて監理しているので、施工費や管理費に上乗せされているので、建築家の頼むと高くつくわけではないのです。

設計・監理の料金は、日本では一般的な相場が決められているので、「設計・監理料の算定基準」を参照ください。

 

「設計、監理料込み」の落とし穴

「当社に頼んで頂ければ、設計料はサービスです!」
「設計、監理、施工すべてまとめて〜円!」
このような宣伝文句には気をつけた方がいいでしょう。

施工業者が普通に図面を描く場合には、まずは施工者にとって都合のよい図面を描きます。そして、場合によっては多額の利益を求めて、安い材料や安い施工方法だけを選びますし、材料メーカーなどから、そのメーカーの材料を指定することで、バックマージンを貰っている場合もあります。

そのようにして利益を出すからこそ、「設計、監理料をサービス」できるのです。

また、施工業者が現場の監理をする場合、工事の途中でミスがあっても、やり直すと利益が出ないので、そのミスに蓋をしてごまかしてしまうケースもあります。それが、小さいミスか大きな欠陥かはその業者にしか分かりません。

もちろん、きちんとやっている業者もたくさんありますが、それを一般の方が見分けることは、困難なのが現状です。

しかし、設計・監理を個別に依頼している場合には、専門的な知識を元に、見積もりや工事の過程で、手抜きがされていないか、また、ミスをごまかしていないかをチェックすることができます。

 

「それは出来ません」は本当か? 諦めるのは、まだ早い

あなたが、「この予算で、こんなものを造りたい。」と施工者に言ったとき、「それは出来ません。」物理的に不可能とばかりに言われても、あきらめるのはまだ早いです。

あまりに現実離れしていれば、話は別ですが、他の業者に声をかけてみると、意外と出来てしまうことが、多々あります。

日本には、本当にたくさんの建築業者があります。その中で得意とする分野はそれぞれ違うので、同じ内容でも、見積もりが変わることもあります。
ですから、アーキテクツパークでは、業界への知識と情報量、そして粘りで(笑)不可能と思われることも、すぐには諦めずに、可能な限り、最適な業者を探し、交渉します。

 
階段のイラスト

 

未来への安心

建ものが完成したときが終わりではありません。

これから、毎日そこで暮らし、その建物と共に、5年、10年と年月を重ねていくのです。
どんなに完璧と思っても、使ってみて初めて分かることがたくさんあります。そして、建物の老朽化は避けられません。

そう、建物にはアフターケアが必要なのです。

将来、せっかく建てた家で悩まないために、今からできることがあります。
歳を重ねるにつれて、家のあり方も変わってきます。
例えば、子供が成長した、歳をとった、という時に最初からある程度それを見越した、設計が必要になってきます。
また、5年後。10年後には、修繕費でいくらくらい必要なのか 事前に知らせてもらうと安心です。
そして、設計者が、使い始めて出てきた不具合を相談できる相手であるかどうかもとても大切だと考えて、私たちはアフターケアを行っています。

 
ストーブのイラスト

 

いい建物をつくるために必要なこと

ここでは、いい建物をつくるために何が必要なのか、どうやって進めればいいのかをお話します。

建築にもインフォームドコンセントを

最近病院では治療を受ける前に、「インフォームドコンセント」つまり、正しい情報を伝えた上での合意が一般的になっています。

このことばは、欧米では、今や医療現場に限らずあらゆる現場で使われています。
私たちは建築の現場でも「インフォームドコンセント」を導入していくことが必要だと考えています。

建築の現場では、「普通はこうだから、いちいちクライアントに相談しなくても、これでいいだろう」と、依頼者に確認をせずに勝手に進めてしまうケースがよくあるのが、現状です。

建ものを建てる時は、小さいことから大きなことまで、決めなくてはならないことがたくさんあります。大変ですが、納得のいく建ものを造るために、まずは、関わる人たちが納得いくまで話し合うことが大切です。

 
家を手に入れるイラスト

 

出来てしまってからでは遅い

建築現場の監理をしていると、事前に決めていたことでも後から修正した方が良いこともよくあります。

建ものはすべてオーダーメイド商品なので、クライアントや建てる場所、工事をする人、ほどんどの場合が一期一会です。たった数ヶ月のお付き合いで、すべてのことを完璧に理解し合うことは難しく、認識の違いも出て来てしまいます。

その際には、誠実に話しあって面倒でも修正することが必要です。

クライアントにとっては、人生のかかった大きな買い物です。いい建ものをつくるために、妥協はできません。

しかし、一度工事に入ってしまってから、変更をすると、それに付随して、たくさんの問題や変更も出て来てしまいます。

巷でよくある「クライアントがやっぱりこうしてほしい」といったからと、金額が変わってしまうことを告げずに、工事を進めてしまって、後からトラブルになってしまう、これは絶対に避けたい所です。

そのために、工事に入ってからは、クライアント、監理者、施行業者がマメに連絡を取り合い、定例会議や総合会議を設けていくことが必要になります。

 

建築は1人ではできない

よい図面を描いただけでは、いい建ものはできません。どんなに現場監督が、一人で頑張ってもいい建ものはできません。

建物は、クライアントと設計者、そして現場の職人さんやメーカーの担当者、たくさんの人の協力をもらって、はじめて出来上がるものです。

どんなことにも、共通して言えることですが、人を動かすにはその人の熱意と心だと思います。

関わる人に、「いい建物をつくろう!」という気持ちになってもらうために、できるだけ現場に足を運び、現場で働いてくれる人々と直接コミニュケーションをとるように心がける、アークテクツパークがとても大切にしていることです。

 
手のイラスト

 

別府の家 現場所長のコメント

釘宮さんの写真

佐藤ベネック 釘宮 聖司さん
 
初めて図面を拝見した時は、図面をよく見れば見るほど、悩ましくなりました。

アーキテクツパークのイメージとコンセプトをどのように理解し、忠実に形にして行くか、
どのように施工計画を立て、実際に施工して行けばいいのか…….。夜も眠れない日々がありました。

時には、設計者と施工業者の間で、意見が食い違う場面もあったのですが、石田さんの建物に対する情熱と住まう方の喜びを考えていくと、結局は求める所は共通である事を確信しました。

この認識で、最後まで設計監理者、施工関係者が同じベクトルで建物を造り上げる事が出来たと思います。

特に吹抜の階段、特殊な外壁においては、施工の手順や方法、仕上げなど苦労しましたが、その甲斐があって、敷地3方向を建物に囲まれていながらも、柔らかい自然光が建物を満たし、RCの建物とは思えない、優しい「ホッ」とする建物に出来上がりました。

できないと思うことでも、充分に検討し、工夫すれば、できる。
「やれば何とかなる」 この現場と石田さんから学んだ事です。

大変苦労して施工した建物でしたが、この貴重な経験と、建物が完成した時のご家族の笑顔が私の財産となりました。
 
家づくり日記